18.5.4 「活」を謳っている魚には期待しないでおこう ~魚が美味しいお店の見分け方 第8回~

五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第8回 「活」を謳っている魚には期待しないでおこう

【理由】「活」の状態が美味しいとは限らず、品質が誇張されている場合も

 

  • いかにも新鮮そうな「活」

定番メニューでも「活アジ」や「活ハマチ」のように、「活」という表記を見ることがあります。いかにも新鮮そうで、思わず頼みたくなってしまうかもしれませんが、一回落ち着いて下さい。まず、「活」の意味とは何なのでしょうか。そして、「活」がつく魚は、本当に美味しいのでしょうか。

 

  • 「活」とは

何となく新鮮な感じがする「活」ですが、まず、「イキ」「イケ」「カツ」などと読みます。この「活」の定義は、きちんと存在するわけではありませんが、「活魚(かつぎょ)」の状態で流通するものに付ける場合が一般的だと思います。

「活魚」とは生きたまま流通する魚たちです。分かりやすく言うと、お店の生け簀に入れられている魚たちがそうです。そうでなくても、お店まで生きたまま運ばれてきた魚を活魚と呼んでいるケースは見られます。また、「活」とは別に、魚を血抜きするなど、特殊な処理をした場合の「活〆(イキジメ、イケジメ、カツジメ)」という言葉もあり、この「活〆」も「活魚」に含むとしている場合もあります。

この「活魚」に対して、死後に生のまま流通する魚を「鮮魚」、凍結して流通する魚を「冷凍魚」、塩漬けにされた魚を「塩魚」と一般的には呼び、「活魚」とは区別されます。

この「活」の表記についても、ルールが定められている訳ではないので、付けるか付かないかは事業者次第です。仮に活魚のアジであっても「活アジ」と表記する必要はなく、単に「アジ」と表記しても良い事になります。

 

  • 「活」をつける意図

さて、やたらと「活」の文字が定番メニューで目立つ飲食店を見ることがありますが、必要のない「活」という表記をわざわざする意図は何なのでしょうか。

1つは、「活魚」と「活魚でない魚」の2種類のメニューがあり、単純に区別をする意図があります。例えば、生け簀にアジが泳いではいるが、そうでないアジもメニューにある場合です。生け簀のアジを指す場合は「活アジ」、そうでない方は単に「アジ」となります。このケースは、特に問題ないでしょう。

もう1つは、「活」という言葉が持つ価値にあやかりたいケースです。

ただし、これには弊害もあって、定番メニューで「活」を謳うと使える素材が「活魚」のみとなり、選択肢が狭まることになります。「活」を謳わなければ、「活魚」を含むあらゆる状態の魚から最も良い素材選んで提供することができるのです。

 

  • 「活魚」ってそもそも美味しいのか

「活魚」には、良い面と悪い面があり絶対的に美味しいとは言えません。例えば、狭い水槽で泳ぐことでストレスが溜まって味が損なわれることが言われています。また、魚種によっては、熟成が進んだ方が市民の口に合う味に仕上がる場合もあります。

ただ、鮮度がよく臭みが少なめで食感がよいので、活魚の方が向く料理や活魚が好まれる食文化の地域というものはあります。「活魚」は状況に応じて使うのがよいのです。

それでも定番メニューに「活〇〇」を書くということは、味よりも見栄えやパフォーマンスを重視したいのかなというように受け取れてしまいます。「活」がつく魚に期待しすぎるのは止めましょう。

 

 


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18.5.1 「本ズワイガニ」には期待しないでおこう ~魚が美味しいお店の見分け方 第7回~

五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第7回 「本ズワイガニ」には期待しないでおこう

【理由】見栄え重視で品質以上に誇張されている可能性が高い

 

  • 「本ズワイガニ」って一見高級そう

定番メニューで「本ズワイガニ」という言葉を見かけることがあり、魚業界の一部の人の間ではちょっと問題視されています。「本ズワイガニ」というと「本当のズワイガニ?美味しそう。」なイメージがあるかもしれません。ただ、その反応を担当者は狙っています。本表記は間違いではないのですが、いろいろな事情をはらんでいます。

 

  • 広い意味の「ズワイガニ」と狭い意味の「ズワイガニ」

そもそものズワイガニについてですが、タラバガニ、毛ガニと共に「三大ガニ」と呼ばれる事もあるカニで、皆さんもご存知だと思います。タラバガニは身が肉厚、毛ガニはミソが濃厚、ズワイガニはその両方を楽しめると言われます。ちなみに、よく聞く「越前がに」「松葉ガニ」もズワイガニでそれぞれの地域で獲れたズワイガニのブランドです。

ただ、ズワイガニというと種族の異なる「オオズワイガニ」や「ベニズワイガニ」など、その仲間を含めた広い範囲を指す場合も稀にあります。「本ズワイガニ」とは、その仲間たちでなく、「狭い意味での「ズワイガニ」ですよ」ということを言いたいのです。

 

  • 「本ズワイガニ」と表記する意図

「本ズワイガニ」という表記は、単純に種の違いを強調して表す意図で使われる場合もあります。商品に「ズワイガニ」と「オオズワイガニ」があり、その区別を分かりやすくするために「本ズワイガニ」と表記する場合がそうです。

しかし、そのような場合を除いて、通常の流通では「ズワイガニ」は「本」を付けずに単に「ズワイガニ」と呼ばれることが一般的です。それでも「本」をつけるケースは大衆店に多く、高い価値がつく「本ズワイガニ」が持つ価値にあやかりたい意図があるように思います。

ここで、気をつけて欲しいのは「本ズワイガニ」も品質はピンキリだということです。品質が悪く安いズワイガニでも「本ズワイガニ」と謳うことはできます。それだったら、「本ズワイガニ」でなくても同じ値段で美味しい別のカニを食べた方がいいですよね。でも、同じ値段だったら美味しくなくても「本ズワイガニ」を謳える商品の方が売れてしまうのが今の世の中ではないでしょうか。

 

  • やたらと「本」が好きな一部の人たち

このように、魚業界にはやたらと「本」が好きな人たちがいます。こういった商品が蔓延すると『「本」が付かない商品は、ニセモノで美味しくない。』という誤った認識が広まってしまうのではないかと懸念しています。

単に「ズワイガニ」とだけ書いてあれば「本ズワイガニ」でニセモノではない場合が通常です。また、「本ズワイガニ」よりも価値が低いとされる「ベニズワイガニ」でも、良い品質のものは「本ズワイガニ」を謳う商品と比較しても美味しい場合が多々あります。「本」という言葉は単なる宣伝文句であることも多いので注意しましょう。

 


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18.4.30 「〇〇の刺身」で無難にいこう ~魚が美味しいお店の見分け方 第6回~

五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第6回 「〇〇の刺身」で無難にいこう

【理由】いつもある刺身の品質はいつも一定

 

  • 無難な刺身が食べたい時

定番メニューに「マグロの刺身」といったように、いつでも魚の種類が指定されている刺身のメニューを見かけると思います。むしろ、「◯種盛り」や「おまかせ盛り」よりも馴染みがあるかもしれませんね。頼む側からすると、何が出てくるのか想像がつきますから、何が出てくるか分からないガチャガチャのような「おまかせ盛り」よりも安心して頼むことができると思います。これはその通りで、より確実なのが「〇〇の刺身」です。

 

  • 定番メニューにある「〇〇の刺身」の実際例

では、定番メニューにある「〇〇の刺身」にどのようなものがあるのかというと、やはり代表格は「マグロの刺身」でしょうかね。それに続いて、サーモン、甘エビ、イカ、タイ、ブリ・ハマチ、シメサバ、カツオのタタキなどといったところでしょうか。聞き慣れた魚が多く、「どの店でも同じような・・・」と思われる方もいるかもしれません。そういえば、「サンマの刺身」は秋口にしか出ません。また、聞きなれないマニアックな魚は定番メニューでは見ないと思います。

 

  • 「〇〇の刺身」はなぜいつも提供できるのか

これはなぜかというと、「いつも一定の品質で提供できる条件の揃ったもの」しか定番メニューとして書けないからです。また、そういった条件が揃った魚種は限られているため「お馴染みのあの魚」となるわけです。(正確には「お馴染みの魚で需要があるので一定品質で供給できる環境が整えられた」という方が正解なのですが。)

では、「いつも一定の品質で提供できる条件」が何かというと、「冷凍や養殖の技術・条件が整っていること」と思ってほぼよいと思います。この「冷凍」や「養殖」という言葉に対して、未だに、ネガティブなイメージを持たれることを私は悲しく思いますが、いつでも一定の美味しい魚を食べるための知恵と努力の産物なのです。今では、技術の進歩や規制等のルール作りも行われているので、いつでも一定品質、そして比較的一定価格で安全に美味しい魚を食べられるのが冷凍魚や養殖魚です。

 

  • 結局「〇〇の刺身」は頼んだ方がよいのか

「魚という食材は、バリエーション豊かで、美味しいものが季節や日によって変わり、それを楽しむのが醍醐味だ」という考え方もあると思います。そう考えると、いつも置いている定番メニューの「〇〇の刺身」は何だか味気ないようにも思えてしまいます。

しかし、繰り返しになりますが、結局「今回は何を求めるのかによる」ということです。確実に一定品質のものを求めるシーンにおいては、定番メニューで魚種が指定されている「〇〇の刺身」を頼む方が正解の場合もあるでしょう。(ただし、お店によっては一定して「低」品質の場合もあるのでそこは注意が必要ですが。)

 

 


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18.4.29 「おまかせ盛り」は進んで注文しよう ~魚が美味しいお店の見分け方 第5回~

五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第5回 「おまかせ盛り」は進んで注文しよう

【理由】その日のいい魚だけが出てくる可能性が高いため

 

  • 何種入るか分からない「おまかせ盛り」はお得か

定番メニューのお刺身の盛り合わせには、3種盛りや5種盛りではなく、単に「おまかせ盛り」となっているメニューも見かけるかと思います。何種盛りなのか指定をしていないメニューです。

何種盛か指定されていないので、2種盛りなどと種類が少なくなるかもしれないし、逆に10種盛りなどと種類が多くなるかもしれません。頼む側からすると「多くの種類の刺身が食べたかったのに、この程度か」といったように求めるものと違うものが出てくるリスクも高くなります。(といっても、店員さんに事前に聞けばいいだけの話なのですがね。)

ただ、店側としては、何種盛りなのか数を指定をしない事で、その日の魚の仕入れ状況に対して、出す魚をより柔軟に選んで対応できるので、とてもメリットがあるメニュー表記なのです。そして、実は、頼む側にとってもそのメリットは大きいと言えます。

 

  • 何種か指定しない店側の意図

まず、「おまかせ盛り」としている時点で「この店は魚のことをよく分かっているな」と思って良いと思います。他の箇所でも述べている通り、魚という食材は極めて種類が多く、かつ、それぞれの品質がその日その日でバラバラです。「マグロもアジもタコも100点」という日もあれば、「マグロだけ合格点。あとは入荷もないし、前日以前の残り物ばかりだからダメ」という日もあるのです。こういった状況により柔軟に対応できるのが「おまかせ盛り」というメニューなのです。刺身として出せる良い状態の魚が多ければ単純に種類を多くし、少なければ1種類ごとの量を多くしたり、同じ魚でも違う部位や食べ方で提供したりといったことができるようになります。そして、それらを提供価格に見合う形に調整して提供するのです。

 

  • だから「おまかせ盛り」は進んで注文すべき

ですので、頼む側としても無理にハズレを掴まされる可能性が減り、その日のオールスターのみを食べられる可能性が高まります。「良い状態の魚が少ない時は頼まない方がよいのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、逆かもしれません。良い状態の魚が少なくマグロのトロなど高級食材を多めに入れざるを得ない、といったこともあるかもしれないからです。

 

  • その日の店のコンディションも分かる「おまかせ盛り」

おまかせ盛りを頼むことののメリットは、他にもあります。それは、お店のその日の魚のコンディションを見れる点です。おまかせ盛りで出てくる魚は、その日の代表だと思ってよいと思います。また、より自由度が高い中どのような魚を選ぶのか店側の腕前も見ることができます。魚のおまかせ盛りを頼んでみて、「とても美味しいな」「旬の魚が入っていてイケてるな」という時は仕入れ状況が良い時なので魚のメニューを進んで頼みましょう。そうでないときは、無理せず魚は別の日に頼むようにした方がよいかもしれません。

 


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18.4.28 刺身の提供時間を気にかけて、とにかく早くに食べよう ~魚が美味しいお店の見分け方 第4回~

五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第4回 刺身の提供時間を気にかけて、とにかく早くに食べよう

【理由】魚は細かくなるほど劣化速度が早くなる

 

  • 5種盛りよりも3種盛りがオススメなもう一つの理由

5種盛りよりも3種盛りがオススメなのは、「種類が多くなればなるほど「ハズレ」が入り込みやすくなる」という点もありますが、もう一つ理由があります。それは、5種盛りの方が単純に時間が掛かるからです。「え?それだけ?」と思われるかもしれませんが、この「それだけ?」が結構バカにできないのです。

 

  • 細かくれば細かくなるほど

まず、ご存知の通り、魚は高い温度の空気中に置かれるとみるみるうちに品質が劣化していきます。そもそもの話ですが、魚の品質が悪くなる原因は、水分中の細菌によるものであったり、空気中の酸素と触れて酸化する事によるものです(その他にもありますがここでは話を簡単にするため、代表的なこの2点に絞って話を進めます)。ですので、菌が繁殖しやすい高い温度に置かれたり、空気に触れる面積が増えると魚の品質劣化の速度は早まります。

おろしたての魚は美味しいと言われますが、それは品質劣化が早まる前に口に入るためです。魚は、丸々一匹から、半身、柵、刺身といったように捌かれて細かくなってしまうほど鮮度劣化が早まっていきます。これは、捌いているうちに温度が上がったり、空気と触れる面積が大きくなって酸化しやすくなるためです。

少し話が難しくなってしまいましたが、要するに細かくなればなるほど、魚の鮮度が悪くなるスピードが速まるということです。そして、これが刺身レベルの細かさとなると常温の空気中にさらされるのが数分といえど、影響が大きいのです。

 

  • 刺身の提供時間を気にかける

話を戻すと、5種盛りのうち少なくとも2種は、3種盛りよりも長い時間、鮮度劣化の早い状態に置かれることとなります。確かに、腕のよい料理人であれば、その時間を短くしたり、よりその影響が少なく劣化しにくいものを先に盛りつけたりと、ほとんど影響はないと思います。しかし、妙に時間が掛かっているなという時は要注意です。特に、調理場が見えるオープンキッチンの場合、刺身の盛り付けに時間が掛かっている様子が伺えたら5種盛りは避けた方がよいでしょう。

 

  • こういう食べ方はやめましょう

ちなみに、より美味しい魚が食べたければ、刺身を食事の最初に注文して、食事の最後のあたりで食べる事はやめましょう。テーブルに置かれている間、その刺身はみるみると劣化しており、提供された時点と別物になっています。これでは、せっかくお店が努力してよい刺身を出しても台無しです。刺身は頼んだらすぐに食べる、食べる分だけその都度頼む、この点を気をつけるだけでも、より美味しい魚を口にすることができます。

 


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18.4.27 5種盛りがあっても3種盛りを頼もう ~魚が美味しいお店の見分け方 第3回~

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第3回 5種盛りがあっても3種盛りを頼もう

【理由】種類が多くなればなるほど「ハズレ」が入り込みやすくなる

 

  • 「鮮魚○種盛り」は定番だけど難しいメニュー

定番メニューで、「鮮魚3種盛り」「鮮魚5種盛り」というメニューを見たことはないでしょうか。軽い気持ちで鮮魚5種盛りのような定番メニューを頼まれる方もいると思います。でもそのメニュー、お店側からするとハードルが高いので、少し考えて頼むようにしましょう。

 

  • 100点満点の魚を5種類も揃えるのはたいへん

美味しい魚を食べたい場合、3種盛りと5種盛りがあったら、3種盛りを頼むことをオススメします。なぜかというと、美味しい魚を5種類も揃えるのは、非常に大変だからです。

そもそも、様々な魚がある中で、それぞれの魚でその日の品質は異なります。例えば、「今日のイワシは100点の味だが、サバは50点の味」といった具合です。魚の品質は、魚の特徴、旬、いつ獲れたか、どこで獲れてどのように流通されてきたか、どのように調理されたか……といった様々な要素が関係してきます。

しかも、品質が変わりやすい魚の場合、これらの要素1つ1つの重みが大きくなります。例えば、獲れた時点で100点の味だったサバでも、流通の途中の扱いが悪いと50点以下の味になってしまうかもしれません。100点のサバを口にするには、流通のすべての工程で100点を取り続けたサバでなければならなく、かなり大変なことです。「鮮魚◯種盛り」の場合、これが◯種の魚ごとに求められてくるのです。

例えるなら、飲食店側にとって鮮魚5種盛りとは、5科目全てで良い点数を求められるテストのようなものです。これが3種盛りとなると、3科目だけ良い点数を取ればいいということになります。出す魚は、その日の条件の良いものから順に選ぶことができるので、魚種が少ないほうが、品質のよい魚が占める割合や確率が高くなってきます。

 

  • 結局は何を求めるか。とにかく美味しい魚が食べたいなら・・・

もちろん、味よりも見た目の華やかさやバラエティの豊富さを重視したいという目的であれば、多少状態の悪いものが入っても5種盛りを頼むのは、むしろ正解と言えます。結局は何を求めるかなのですが、確実に美味しい魚が食べたいということであれば、より種類の少ない方をオススメします。

 


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18.4.26 「本日の獲れたて鮮魚」は、本日獲っていない事を知っておこう ~魚が美味しいお店の見分け方 第2回~

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第2回 「本日の獲れたて鮮魚」は、本日獲っていない事を知っておこう

【理由】流通の関係上、その日獲れた魚が毎日入荷することは無い

 

  • いかにも新鮮そうな「本日の獲れたて鮮魚」

定番メニューで「本日の獲れたて鮮魚」などとデカデカと謳われている事があります。いかにも「今日獲れた魚で新鮮そう」と思われるかもしれません。しかし、魚のことを分かっている、かつ正直な担当者であれば、このような事は書かないはずです。

 

  • 「本日の獲れたて鮮魚」という日本語を紐解く

まず、日本語の問題ですが、以下の点を考えてみてください。

①「本日の」は何が本日か

「本日の」は、どこに掛かっているのでしょうか。「本日の獲れたて」なのか、はたまた「本日の鮮魚」なのかが定かではありません。

②いつまでが獲れたてか

「獲れたて」とは獲れてからどのくらいまでの魚をいうのでしょうか。「獲れたて」とは、主観的な言葉です。客観的にどのくらい新鮮なのかは分かりません。

このように「本日の獲れたて鮮魚」と言うと、いかにも「今日獲れたばかりの新鮮な魚」と思ってしまうかもしれませんが、「7日前に獲れた魚」を指しても間違いではないことになります。「あくまでも、本日提供する鮮魚で、「本日獲れた」とは言っていない」「自分は7日経っても獲れたてだと思う」と言われればウソではないのです。

 

  • その日獲れた魚が毎日入荷することはあり得ない

ここからは流通の事情の話をします。まず、魚が常に毎日獲れるということはあり得ません。これは、主に天候の影響や、毎日漁に出ていたら魚が獲れなくなるため自主規制をしている、などの理由です。仮に、ある期間に日本全国どこかしらが毎日出漁していたとしても、店に着くまでの流通があります。近くの港が休漁であれば、遠くの港が出漁していたとしても、今日獲れた魚は店には届かないのです。

もう1点考慮が必要なのは、休市日です。市場は、毎日開いてなく、通常週に1、2回の休市日があります。市場流通が減ったとはいえ、依然として半分の水産品が市場流通によるものです。その影響は大きく、「休市の日を休みとする」のは業界の慣習で、漁もそれに合わせて休みとなります。また、市場流通を使っていなくても、周りの業者に合わせて、休市日を休みとする業者は珍しくありません。

 

  • 「本日の獲れたて」に期待し過ぎないように

ハッキリ言ってしまうと「毎日、今日獲れた魚が店で出てくる事」はありません。定番メニューで「本日の獲れたて鮮魚」と書かれていても「アピールが過ぎているなぁ」くらいに思い、期待し過ぎるのはやめましょう。「本日の獲れたて鮮魚」でなくとも、美味しい魚は、沢山存在するのですから。


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18.4.25 魚に「いつもある」はあり得ない、と心得よう ~魚が美味しいお店の見分け方 第1回~

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第1回 魚に「いつもある」はあり得ない、と心得よう

【理由】種類が多く、それぞれの供給が不安定で、ストックが難しいから

 

  • 定番メニューとは・・・

ここで取り上げる「定番メニュー」とは、「いつもあるメニュー」のことを指します。手書きの日替わりメニューではなく、キチンとした印刷がされていて、毎日あるメニューです。しかし、いつも同じ素材が入荷するとは限らないのが「魚」という食材の最大の特徴であったりします。

 

  • 食材としての魚の三大特徴

日本において食材としての魚を考える際、次の3点が非常に特徴的ですので、まずは前提として抑えておきましょう。

①種類が多い

生物的にも数百種類の魚が国内に流通しています。さらに、生物的には同じ種類だとしても、産地や漁法などよって味がまったく異なり、食材としては別物とされている場合もあります。このように、魚という食材は種類がとにかく多いのです。

②供給が不安定

国内に流通する魚は、漁によって供給されるものが依然として半分を超えています。出漁の機会が天候により左右されるなど、魚の供給は不安定になりがちです。

③品質が変わりやすくストックが難しい

品質を保つ技術は高まってきています。しかし、生で品質劣化しやすい状態のまま流通し、ストックしておくことが難しい事が多いのが現状です。

 

  • だから、「いつもある」はあり得ない

このように、①多くの種類があり、②いつどのくらい入荷するか正確には分からず、③ストックしておく事が難しい、というのが魚という食材です。これらの特徴から、何種類ものまったく同じ品質の魚を常に調理場に置いておくことは、かなり難しいことなのです。「魚に『いつもある』はあり得ない」とはそのようなことを指します。

 

  • いつもあるメニューなのに、材料はいつもあるとは限らない矛盾

ここまでの話を踏まえると、魚の定番メニューは、「いつもあるメニュー」であるのに、「材料はいつもあるとは限らない」という矛盾を抱えているようにも思えてきます。実際のところはどうなのでしょうか。そこには、飲食店の並ならぬ努力、はたまた、カラクリが存在しています。

 

  • この先の記事

さて、本記事のこの先は、飲食店によくある魚の「定番メニュー」をテーマに、飲食店の裏側について触れています。魚が美味しい飲食店の特徴や見抜き方、より美味しい魚が食べられるテクニックなどについて学んでいきましょう。

 


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18.3.2【お知らせ】川崎フロンターレホーム開幕戦イベント&始球式をコーディネートしました

2018年3月2日に神奈川県川崎市の等々力競技場で行われたサッカーJ1川崎フロンターレのホーム開幕戦(VS.湘南ベルマーレ)のイベントと始球式をさかなプロダクションがコーディネートさせていただきました。

Jリーグ始まって以来はじめての平日金曜日開幕となった2018年の開幕戦、川崎フロンターレでは「等々力フライデー」と題し、金曜やフライデーに関わる様々なイベントを開催しました。

その中の1つ、金曜(フライデー)開幕戦にちなんだ「開戦(海鮮)フライ」販売のブースでは、さかなプロダクションと元ヤクルトスワローズ川崎憲次郎さんがタッグを組み、大分県佐伯市産のヒオウギ貝のフライを販売しました。ご好評いただき、約500食を終了1時間前に完売することができました。中には40分程並んでいただいた方もいらっしゃり、申し訳なく思うとともにありがたかったです。

さらに、その日の始球式は、川崎憲次郎さんが務め、シュートを蹴るのではなく、変化球のシュートを投げるという演出をさせていただきました。始球式の模様は、こちらからも御覧いただけます。

ちなみに、「サッカーの始球式でボールを投げたのは、おそらく世界初」、、、といったコメントがネット上に飛び交ったりしています。。

始球式後は、川崎フロンターレが2018年も優勝タイトルをとれるよう、川崎憲次郎さんからフロンターレ主将の小林悠選手に鯛(大分県産 5Kgアップ!)を贈呈し、魚を絡めて「鯛、とる(タイトル)」のセレモニーを行いました。

今回のホーム開幕戦では、平日開催にも関わらず2.2万人の観客の方にお越しいただくことができました。もちろん、当方がコーディネートしたイベントだけがその要因ではありませんが、その一翼を担え、何よりも皆様に楽しんでいただけたことに大変感謝いたします。

さかなプロダクションでは、今後も川崎フロンターレさんとも連携し、サッカーや魚を盛り上げていけたらと思っております。

18.1.8【コラム】漁師は、なぜ演歌なのか

「五種盛りより三種盛りを頼め」の中で書きましたが、「今ドキの漁師は演歌を聴かない」です。
このことについて、「では、何を聴いているのですか?」という質問を先日いただきました。答えとしては、一般的に皆さんが聴いている音楽とあまり変わらない、となります。

私が書籍にこのようなことを書いたのは、テレビのドキュメンタリー番組などで描かれる漁師像が実際とかけ離れており、色々な漁師がいることを伝えたかったからです。また、難しく言うと、漁師にはステレオタイプが存在すると思っています。

にしても、この「漁師=演歌」というイメージ、なぜついてしまったのでしょうか。それについて、自分なりに考察してみました。

まず、演歌には、元々漁業を扱った歌が一定数存在します。鳥羽一郎さんの「兄弟船」や八代亜紀さんの「舟歌」などがそうですが、これらのキャンペーンや何やらで漁港近くでの興行が盛んな時期がありました。その場で、実際に歌手を目にするとファンになる方が多いと思います。「うちのところによく来てくれた」という思いも生まれるでしょう。そして、ファンになった漁師さんは、演歌を聴くようになる。おそらく、こんなAKBの先駆けともいうべきことが理由となっているように思います。

今はどうかというと、そういった興行がないわけではないですが、以前よりは盛んではないですし、若い人の姿はあまり見られないかな。最近では、漁業の現場の世代交代も進んでいます。それに、漁業を扱う演歌も少なくなってきていると思います。昔の漁業が盛んだった時代は、漁業従事者や漁業に関連する仕事をされている方も多かったと思うので、レコードのセールスを考えるとそういった題材を扱うと売れるという側面もあったのかもしれません。

漁師=演歌はまだ良いのですが、個人的な思いでは、時代にそぐわない漁師のイメージを現代版に改めていくことは必要だと思います。

上に「テレビのドキュメンタリー番組など、、、」と書きましたが、マンガ・アニメ・ドラマなどのフィクションはどうなのかというと、漁師を題材にしたものは、ここのところほとんど見られません。しかし、フィクションが世間のイメージに与える影響は大きいと思います。漁師の世界ってネタも沢山あり、フィクションの題材としても面白いと思うので、扱ってもらえるように、私としても様々な方と関わって働きかけていければと思っています。