五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第11回 毎日ある「関さば」には、注意しよう

 

【理由】「関さば」であっても、いい時と悪い時がある

 

  • 一度は食べてみたい「関さば」だけれど

魚のブランドといえば、「関さば」が有名です。同じサバでも通常のサバの10倍以上の値段が付くこともあるくらいの高級サバで、一度は食べてみたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時に、飲食店に入って定番メニューに「関さば」があったら思わず頼んでしまうかもしれません。ただ、一旦、落ち着いて考えてみましょう。

 

  • 「関さば」とは

まず、「関さば」とは何かというと、大分県漁協が管理するサバのブランドです。2006年に文字での商標登録もされましたので、このブランド名は業務上勝手に使うことができません。

では、「関さば」を名乗れるのはどんなサバかと言うと、大分県の佐賀関産のサバである事が第一条件となります。さらに、「一本釣りで漁獲されたもの(一本釣りは他の漁法と比べて魚が痛みにくい)」かつ「面(つら)買いであること(生きたままセリ落とすこと)」といった漁協が定める条件を満たすサバにのみ付けられることとなっています。そのため、「関さば」と付くサバは出荷時点で極めて高鮮度で状態がよく、普通のサバでは難しい生食が推奨される特別なサバの地位を確立しているのです。

 

  • こんな「関さば」も「関さば」と呼べてしまう

ここまでの話だと、「やっぱり「関さば」は美味しいに決まっている」と思うかもしれませんが、いつでもある定番メニューの場合は注意が必要です。

まず、他の箇所でも述べているように魚は供給や品質が極めて不安定ですので、今日お店に置いている「関さば」がどのくらいの品質のものであるのかは定かではありません。100点のときもあれば、50点のときもあるのです。極端な話、条件を満たしさえすれば、流通経路で雑な扱いをされても「関さば」を名乗れてしまうのです。

もっと分かりやすい話では「関さば」にも旬があり、秋が最も美味しいとされています。しかし、春でも「関さば」なのです。美味しくないとまでは言いませんが、秋の「関さば」と品質が異なってくる点は間違いないと思います。

さらには、「関さば」を使うにあたり、向く場合と向かない場合があります。まず、刺身は向いています。しかし、非常に身が締まっているサバなので、塩焼きとした場合、脂っこいサバが好きな人にとっては「それほどでも」となってしまうでしょう。

 

  • 美味しい「関さば」を食べるには

 以上のように、「関さば」であっても、いい時と悪い時があるということを心得ておいてください。ちなみに、ここまでをまとめると、美味しい「関さば」を食べるには、①季節は秋、②食べ方は刺身や寿司など生食、という点を守ることをオススメします。そして、今日の「関さば」の状態はどうか、注文される前に店員さんに聞いてみましょう。そして、出来れば、現地まで行って食べるのが一番よいです。


こちらの内容が書かれている書籍

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出版社:秀和システム
本体価格:1500円(税別)
ISBN:978-4-7980-4661-7
形態:四六判 304ページ

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■「本日の獲れたて鮮魚」がある店には注意しよう
■魚のアラや頭を使ったメニューがあるお店を選ぼう
■水・日・祝に干物を勧めるお店を選ぼう
■生け簀に魚が泳いでいるお店はやめておこう
■イカ一夜干しにタレがかかっている店には注意しよう

…などなど今日から役立つ知識が満載!

    18.5.8 毎日ある「関さば」には、注意しよう ~魚が美味しいお店の見分け方 第11回~” に対して1件のコメントがあります。

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