18.5.6 産地の表記がある魚に期待しないようにしよう ~魚が美味しいお店の見分け方 第9回~

五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第9回 産地の表記がある魚に期待しないようにしよう

【理由】いつも出す魚の産地を絞ると状態の悪い魚が出るリスクが高まる

 

  • 「〇〇産」だからきっと美味しいに違いないと思っていると

定番メニューに「〇〇産」や「〇〇漁港直送!」のような文言を見る場合があります。トレーサビリティが行き届いていて安心で、さぞかし美味しそうな気もしてきます。しかし、そのように思って貰えることを店側は狙っています。ただ、日替わりメニューは別として、定番メニューで産地を限定するのには大きな弊害も生じてきます。

 

  • 「〇〇産」と定番メニューに書くことによる弊害

定番メニューは、いつもあるメニューです。ということは、いつも出せるようにしておかなければなりません。その定番メニューに〇〇産と書いてしまうと、いつも〇〇産に限定して素材を選ばなければならなくなります。悪天候で〇〇産の魚の入荷がないなど、その日の品質が悪い時でもです。

極端な例ですが、定番メニューに「大間産マグロの刺身」があったとしましょう。一見すると、「あの有名な大間のマグロか。美味しそう!」と思われるかもしれません。しかし、今日の大間のマグロがベストな状態なのかは不明です。

別の箇所でも述べているように、魚という食材はその入荷状況や品質が極めて不安定です。例え大間産のマグロであっても100点のときもあれば50点のときもあるのです。これがその日その日で産地ごとに異なっていると思って下さい。「今日は、大間産100点、和歌山産70点」という日もあれば、「大間産50点、和歌山産90点」という日もあるのです。

定番メニューで産地を限定すると、マグロの品質がその産地の品質に依存してしまいます。先ほどの例では、例え和歌山産のマグロの方が、品質が良かったとしても、大間産のマグロを出さなければなりません。

このような事を理解している飲食店は、定番メニューではなるべくメニューを限定的に書かず、広い選択肢の中からその日の素材を選べるようにしています。そうすることで、その日その日でベストな魚を提供できるようにしているのです。定番メニューを〇〇産と限定するという事は、それができないという事です。

 

  • 「〇〇産」と書きたい意図

以上のように、定番メニューに「〇〇産」と書くと弊害もあるのに、なぜ書くのでしょうか。それは、メリットの方が大きいと考えているからだと思います。「〇〇産」と書くメリットの1つは、平たく言うと「トレーサビリティが行き届いていて安心で、さぞかし美味しそうなイメージを与えられる」という事です。

あるいは、「日々変わる魚の品質に目を向けなくとも、〇〇産の品質に頼っていれば大丈夫だろう」という考えの表れの様に思います。確かに冷凍魚や加工品など比較的安定的に供給される水産物もあるので、それでよい場合もありますが、長い目で見れば品質は変わってくるので、弊害はゼロではないです。

 

  • やたらと産地を語りたがる一部の人たち

「本」や「天然」の場合と同様にこれに関しても、やたらと「〇〇産」を語りたがる一部の方々がいらっしゃいます。しかし、いくら産地のブランドイメージがよくても、流通や調理方法が良くないと、口に入る段階で、魚の品質は悪いものとなってしまします。消費者としては、「獲れた段階の品質はどうなのか」ではなく、「口に入れる段階の品質はどうなのか」が重要なはずです。「〇〇産」という言葉でなく、出てきた魚の品質そのものに向きあうようにすると良いと思います。


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■「本日の獲れたて鮮魚」がある店には注意しよう
■魚のアラや頭を使ったメニューがあるお店を選ぼう
■水・日・祝に干物を勧めるお店を選ぼう
■生け簀に魚が泳いでいるお店はやめておこう
■イカ一夜干しにタレがかかっている店には注意しよう

…などなど今日から役立つ知識が満載!

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