五種盛りより三種盛りを頼め 外食で美味しくて安全な魚を食べる方法」にも書かれている魚が美味しいお店の見分け方をこちらでもお伝えしています。

第2回 「本日の獲れたて鮮魚」は、本日獲っていない事を知っておこう

【理由】流通の関係上、その日獲れた魚が毎日入荷することは無い

 

  • いかにも新鮮そうな「本日の獲れたて鮮魚」

定番メニューで「本日の獲れたて鮮魚」などとデカデカと謳われている事があります。いかにも「今日獲れた魚で新鮮そう」と思われるかもしれません。しかし、魚のことを分かっている、かつ正直な担当者であれば、このような事は書かないはずです。

 

  • 「本日の獲れたて鮮魚」という日本語を紐解く

まず、日本語の問題ですが、以下の点を考えてみてください。

①「本日の」は何が本日か

「本日の」は、どこに掛かっているのでしょうか。「本日の獲れたて」なのか、はたまた「本日の鮮魚」なのかが定かではありません。

②いつまでが獲れたてか

「獲れたて」とは獲れてからどのくらいまでの魚をいうのでしょうか。「獲れたて」とは、主観的な言葉です。客観的にどのくらい新鮮なのかは分かりません。

このように「本日の獲れたて鮮魚」と言うと、いかにも「今日獲れたばかりの新鮮な魚」と思ってしまうかもしれませんが、「7日前に獲れた魚」を指しても間違いではないことになります。「あくまでも、本日提供する鮮魚で、「本日獲れた」とは言っていない」「自分は7日経っても獲れたてだと思う」と言われればウソではないのです。

 

  • その日獲れた魚が毎日入荷することはあり得ない

ここからは流通の事情の話をします。まず、魚が常に毎日獲れるということはあり得ません。これは、主に天候の影響や、毎日漁に出ていたら魚が獲れなくなるため自主規制をしている、などの理由です。仮に、ある期間に日本全国どこかしらが毎日出漁していたとしても、店に着くまでの流通があります。近くの港が休漁であれば、遠くの港が出漁していたとしても、今日獲れた魚は店には届かないのです。

もう1点考慮が必要なのは、休市日です。市場は、毎日開いてなく、通常週に1、2回の休市日があります。市場流通が減ったとはいえ、依然として半分の水産品が市場流通によるものです。その影響は大きく、「休市の日を休みとする」のは業界の慣習で、漁もそれに合わせて休みとなります。また、市場流通を使っていなくても、周りの業者に合わせて、休市日を休みとする業者は珍しくありません。

 

  • 「本日の獲れたて」に期待し過ぎないように

ハッキリ言ってしまうと「毎日、今日獲れた魚が店で出てくる事」はありません。定番メニューで「本日の獲れたて鮮魚」と書かれていても「アピールが過ぎているなぁ」くらいに思い、期待し過ぎるのはやめましょう。「本日の獲れたて鮮魚」でなくとも、美味しい魚は、沢山存在するのですから。


こちらの内容が書かれている書籍

hon
出版社:秀和システム
本体価格:1500円(税別)
ISBN:978-4-7980-4661-7
形態:四六判 304ページ

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■「本日の獲れたて鮮魚」がある店には注意しよう
■魚のアラや頭を使ったメニューがあるお店を選ぼう
■水・日・祝に干物を勧めるお店を選ぼう
■生け簀に魚が泳いでいるお店はやめておこう
■イカ一夜干しにタレがかかっている店には注意しよう

…などなど今日から役立つ知識が満載!

    18.4.26 「本日の獲れたて鮮魚」は、本日獲っていない事を知っておこう ~魚が美味しいお店の見分け方 第2回~” に対して1件のコメントがあります。

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